IT業界のメンタルヘルスによる休業率と退職率
猫も杓子も「働き方改革」という流れになってきた。取り組まなきゃやばいという世論の流れはありがたいです。
自分の会社でも例に漏れず事業部単位で「働き方改革」に取り組むことになり、自分の身の回りでつらいことも続いており、、いてもたってもいられない想いで企画側に参画しています。
いろいろと現場の話を聞くにつれて、
「IT業界の労働環境は、他の業界とくらべてどうなのか?」
という疑問にいたり、まずはメンタルヘルス系の数字を調べてみることに。
メンタルヘルス関連での休業率のデータが載っていたのでグラフに起こしてみました。
思ったよりやばかった。。
メンタルヘルス不調により休業する人の割合は、情報通信業は1.3%というダントツの数字。「100人の組織で毎年誰かしら休業を取っている状況」と考えてみると、とてもそのままで良い状況とは言えない。
いや、待って。
「情報通信業」の定義にはマスコミや広告系も含まれているらしい。(業界区分の定義は「日本標準産業分類」より)
広告系はだいぶニュースにもなったし、「猫も杓子も働き方改革」という世論醸成のきっかけにもなった業界でもあるし。
ということで、情報通信業をさらに細分化した詳細データを当たってみた。
待って。
情報サービス業のメンタル休業者率は1.4%で、全業界のうち最多であった。泣いた。
(ちなみに、広告系は「映像・音声・文字情報制作業」に含まれる。)
* * *
なお、メンタルヘルス不調により退職した人の割合のデータもありまして。
情報通信業は0.4%という数字であった。より細かな区分である情報サービス業で見ても0.4%であり、ダントツでもないが、他に0.4%で並んでいるのは飲食や医療・福祉。どの業界も見聞きする限りの労働環境のことを思うと何ともツラい。むしろIT業界は休業ができるだけマシなのではないかという思いも湧く。
いや、これは業界別で勝った負けたの話じゃない。
1,000人いたら毎年4人がメンタル不調で退職していく仕事場というのは、やっぱり普通とは思えないし、どんな業界においても普通にしてはいけないと思う。
最後であるが、いずれのデータにも「注:受け入れている派遣労働者を除いた割合である」という注釈が添えられていて非常に闇が深い。泣く。。