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1dayプロボノ? 「スコーパソン」ってなに?

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先日、プロボノの体験プログラムとして、「スコーパソン」なるものに参加しました。スコーパソンの説明と体験談です。

 

スコーパソンってなに?

「スコーパソン」、ひとことで言うと超短期のプロボノ、のこと。
Googleで検索したところ、「一致する結果は見つかりませんでした」の結果が。
まだ日本での認知度は低いようです。

「スコーパソン」を英語で書くと、 「Scope-Athon」 。カンのいい人は分かるかもしれませんが、ハッカソン(Hackathon)のプロボノ版、というと少しイメージが湧くでしょうか。

ハッカソンもスコーパソンも、どちらも語源はマラソン(Marathon)から。
ハッカソンが、Hack+Athonを意味する、短期プログラミングイベントであるなら、スコーパソンは、Scope+Athonと書く、短期プロボノイベントです。

「スコーパソン」は、
1日のワークショップなどを通じてプロボノを行うプログラムです。

通例ですと、プロボノプログラムは半年から~1年かけて行うようなので、それと比べると「超」短期のプロボノと言えるでしょう。


スコーパソンでは何をやるか?

プロボノなのに、なんで「Scope」+Athonなのか。「ProBono」+Athonではないわけです。

スコーパソンの目的は、
「団体への支援内容を抽出する」こと。
つまり、スコープ(Scope)の定義です。

実際に支援を行うわけではなく、スコープ定義のみです。
いわば、プロボノを始めるにあたってのスタートとゴールを決めるところまで、です。企業のプロジェクト的にいえば、プロジェクト定義、要件定義、といったところでしょうか。

 

なぜスコープ定義に注力するかというと、
「改善できたらいいこと」を山ほど抱えているNPO団体にとって、時間も人手も限られている中で、その全てに手をつけることはできないわけです。業務プロセス改善なのか、人事プログラム改定なのか、マーケティング支援なのか、IT整備なのか・・・。

そこで重要になってくるのが、
効果の高そうなもの、確実に積み上げられるものから着手する、きちんと完遂して前に進む、ということ。一番効果の高そうなものを抽出することの必要性が高いのです。

プロボノプロジェクトでは、次のことを事前にきちんと定義しておくことが、プロボノの成否を決める、といっても過言ではありません。

・取り組む課題は何にするか?

・現状のスタート地点がどういう状態であるか?

・どうなったらゴールと言えるのか?

このスコープ定義をメインに担うのが、「スコーパソン」です。


「スコーパソン」を実際にやってみて

次のような内容で進みました。一例として挙げます。

【開催概要】

○参加者
 参加社員 20人ほど
 参加NPO 5団体

○企画と運営
 サービスグラントさんの全面企画にて。(上とは別のNPOプロボノのマッチングをメインにおこなうNPOです。)
 会社側からは、社会貢献部門と有志社員が企画のお手伝いと社内調整を実施。

○参加期間
 ワークショップは半日。
 事前説明と事後作業を含めて、2ヶ月弱のプログラム。

 

【事前】

ワークショップの1か月ほど前から助走をはじめました。

・事前の社員向け説明会「そもそもプロボノとはなんぞや?」

・スコーパソンへの参加意思確認と社員チーム分け

NPOのことを事前予習


事前予習は、WebやNPO側が事前に作成した課題シートからの情報収集。チームでランチミーティングを何度か実施して情報共有しました。同じ会社だからといっても面識がない人も多く、顔合わせも兼ねて。

 

【ワークショップ当日】

大きくは3つのセッション。時間を区切って実施しました。

 ヒアリング
   ↓
 簡易スコープ定義
   ↓
 プレゼン

簡易スコープ定義のセッションは社員のみで行いました。ヒアリングした内容から提案のプロトタイプを作ります。その間、NPO側は別の部屋でプロボノの説明などを受けていたようです。

 

【事後】

ワークショップ終了後に、社員でスコープ定義をプロボノ提案書として仕上げました。

プロボノ提案書を作成、NPOへ提示

途中、NPOからの感想フィードバックももらい提案書の内容に反映させていきました。(自分のチームではワークショップ当日に得た感覚とほとんどギャップがなかったので、課題の確認程度に利用しました。)

提案書の提出までは1ヶ月弱ほどでした。

 

 

社員の感想 & 会社側への効果

短期のプロボノプログラム、といえど、準備と事後作業ではそれぞれ1ヶ月程度の期間がありました。プログラムのゴール設定としてはいろいろ設計できると思うのですが、「NPOのこと、普段の仕事と違う世界の話ができておもしろかったー。」というレベルにとどまらず、「プロボノ提案書」を仕上げるというレベルを満たすためには、必要な期間だったと思います。

特に次の2つは、ワークショップ当日を迎えるための必要な要素だったと振り返ります。

NPOのことを"頭"ではいったん知っておくこと

・社員側のチーム意識の醸成
 (顔を合わせて、個人レベルの参加動機、本業業務の内容、社外活動の経験などを共有し合う)

 
その上でワークショップに臨むことで、より深い会話ができたように思います。

 

社員側には次のような効果があったことを、自分の感想だけでなく、同じチームだった社員さんの感想からも感じています。

 

プロボノ自体への理解が深まった(当日だけでなく、事前説明会、準備中の会話などからも)

・「プロボノ提案書」という形の成果物でプロボノのミニ体験ができた

・日ごろつながりのない社員とつながりができた

・日ごろ接点のないNPOの話を聞いて視野が広がった

NPOとの会話を通じて、自分たちの組織のことも客観的に見つめるきっかけになった

1つめのプロボノ自体への理解は、「いきなり長期プロボノを開始するにはハードルが高い、よくわからないので参加しづらい」というメンバーにとっては、参加しながらだんだん知っていけばいいんだ → 知っていくことができた、という流れでうまく機能していたように思います。

2つめの提案書は、今回のプログラムでのゴール設定ですが、何かビジネス的アウトプットをすることで支援する、というプロボノの根っこにつながります。どのようにNPOを支援するかのイメージする取っ掛かりになりました。

最後の3つは、まさにプロボノ自体の効果でもよく挙げられている項目です。日ごろの仕事からは少し目線を離してみることで得られるものは決して小さくありません。

 

超短期のプロボノプログラム、「スコーパソン」。プロボノをはじめてみようかな、というタイミングでのお試し版としてはうまく機能するのではないでしょうか。

企画のサービスグラントの方も「お見合いみたいなようなもの」と何度か説明されていましたが、まさにぴったりの例えかもしれません。

 

また、会社側への副効果(?)としては、
参加されたNPOさんから、こちらの会社や社員のこと、つまりカタログや広告からではわからない、社員の人間味みたいなものにも魅力を感じてもらえたのは嬉しかったです。同様に、自分がそういう同僚に恵まれている、と改めて感じられたことも嬉しかったです。人と人が顔を合わせて会話することの大切さを改めて感じました。

 

 

最後になりますが、
「スコーパソン」という名称は、認知度も低く、また、言葉自体から内容のイメージもしづらいため、違う名前を考えたい。というのは、ワークショップを企画くださったサービスグラント嵯峨さんの談。実際のイベントも「スコーパソン」という名前を使っていませんでした(^-^;)(あれ?オチ??)

ワークショップを企画いただいたサービスグラントのみなさま、貴重な体験をありがとうございました。社員とNPOをスムーズにつないでいただいたこと、提案書作成という高いゴール設定の中、最後まで根気強く支援くださったこと。感謝しております。プロボノ提案書が次に活かされる日を楽しみにしています。ありがとうございます。

 

 

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