5分でわかった気になる『21世紀の資本』ピケティ
『21世紀の資本』がこれまでの資本主義をひっくり返すと話題です。
フランスの経済学者、トマ・ピケティが書いた本です。
が、とっても分厚いこの本、本屋に平積みされていたところを手に取ろうとしたら、イメージを上回ってくる厚さで、あれ?あれ?持てない、厚い、厚すぎる…ってなるとかならないとか。
簡単に内容は知っておきたい、大人な雑談の場でちょっとしゃべれるようになっておきたい、でも、でも、分厚くて本書は読める気がしない…、という人のために。
『21世紀の資本』のポイントを4つに絞ってつまみ食いします。
(1) r > g (←これキーワード)
rってなに?gってなに?
r・・・資本収益率。資本を投下して得られる収益率。だいたい常に4%と主張
g・・・経済成長率。みんなが働いて得られる社会全体の成長率。せいぜい1〜2%
(2) 自由経済社会は格差を拡げる
rは資本を持っている人が得られるリターン、
gは労働で得られるリターン。
rの方が大きいということは、構造的に「持てる者がより富む世界」になっているということ。
労働者はより搾取される。
(ちなみに、日本は英米諸国に比べれば格差は低い)
(3) 経済への介入を提言
なので、経済への介入は必要。(←ここがピケティの価値観)
具体的には、全世界的な累進課税制度が必要と唱えています。儲かっている人からたくさん税金を取る制度にしましょう、と。
(全世界でやらないと、タックスヘイブンな国に逃げられてしまうため。)
(4) 圧倒的なデータ
以上のことを100年以上に渡る各国のデータを元に説いたところが、これまでにない経済書と評価されている理由のようです。
格差が広がっているよなー、と何となく感じているところへ、データの裏付けが与える「やっぱりそうなんだ感」。これが売れている理由とか。
雑談シミュレーション
サラリーマンのたしなみ的に雑談で取り上げるとしたら、こんな感じでしょうか。
『21世紀の資本』ってあれですよね。rがgより大きいってやつ。持てる者はどんどん裕福になって格差が広がっていくっていう。膨大なデータ量でそれを示したところがこの本のすごいところみたいですね。全世界で足並み揃えてお金持ちからたくさん税金を取れるようにするっていう対策、どう思います?(140字)
このあと話を続けられるかどうかは…ごめんなさい。。
かくいう自身も本書は読んではいなくて、、要約記事などを拾い読みした限りですが。翻訳された方もこうおっしゃっているので、あながち外していないのかなとも思ったり。
(前略)え? たったそれだけ?でも何百ページもある分厚い本だってきいたけど……
はい、その通り。(後略)
もう少し時間のある方へ
なんでrが常に4%程度を維持できるのか?
この本のいう「資本」って?
などなど疑問も湧いてきますが、もう少し時間のある方はこちらもどうぞ。
21世紀の資本 講演スライド - Cruel.org
http://cruel.org/books/capital21c/Piketty2014Capital21cJapanese.pdf
ピケティ本『21世紀の資本』は、この図11枚で理解できる - 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41619
- 出版社: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/01/26
本書はこちら。
そうそう。立てても倒れないほど分厚い本といえば。こちらもおすすめです。
U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術
- 作者: C オットーシャーマー,C Otto Scharmer,中土井僚,由佐美加子
- 出版社: 英治出版
- 発売日: 2010/11/16